手数料は必ずチェック!
投資信託は数万円で分散投資ができるため、投資ビギナーや20代、30代に人気があります。一方、中級者、上級者の中には投資信託は手数料が高いから株式投資の方が魅力的という人もいます。投信、株式それぞれにメリット、デメリットがありますが、ここ数年投資信託の手数料が上昇傾向にあることは意外に知られていません。
手数料は運用による収益を目減りさせるものですから、正しい知識とチェック能力を身につけることは欠かせないのですが、この点はビギナーが見落としがちですので、詳しく見てみましょう。投信の手数料は3つあります。
1.買うときに掛かる手数料は「販売手数料」と言って、投信を買った証券会社や銀行などが受け取ります。購入時だけに掛かるのでファンクラブなどの「入会金」のようなものと考えるといいでしょう。
2.保有している期間中に掛かる手数料「信託報酬」と言って、投信の運用や管理などに掛かる費用で運用資産から毎日引かれます。「年会費」のようなイメージです。投信を運用する会社と販売する会社とお金を預かる信託銀行の3社で分けます。
3.解約する時に掛かる手数料は「信託財産留保額」と言います。ちょっと難しい言葉ですが、要は「解約手数料」のことです。解約時に発生する株などの売却にかかる費用は解約する人が負担しましょうという考え方で、その投資信託に残されるお金です。「退会金」のようなものです。
「販売手数料」と「信託財産留保額」は「掛かる投信」「掛からない投信」があります。この2つが無料でも信託報酬が高いと結果としてコスト高になるケースもありますから3つのコストをチェックすることが大切です。
「手数料の法則」を覚えておくと比較検討の際に便利です。通常は「株式型」の方が「債券型」より高めです。市場平均を上回る運用成績を目指す「アクティブ型」の方が日経平均株価など市場平均を表す指標とほぼ同じ動きをする「インデックス型」より高めです。また、投資先が国内か海外かで比較すると、一般的に海外に投資するタイプの方がコスト高となることも知っておきましょう。
手数料チェックは、同じカテゴリーの投信で比較するのがポイントです。「投資信託協会」のホームページなら同じカテゴリーの投信のコストを一覧で見ることができ便利です。日本株のインデックス型とアクティブ型の手数料の現状をまとめたものです。アクティブ型は販売手数料も信託報酬もインデックス型より高めな上、手数料の幅も大きいことが分かります。
新興国ファンドの購入は少し慣れてから
3つの手数料のうち値上がり率が高いのは信託報酬で「BRICS」と称されるブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国ファンドが増えたことが一因とあります。確かにインドや中国に投資するファンドの信託報酬は1.6%~2.1%と高めです。経済成長が期待できる新興国投資は人気を集めていますが、過去のリターンだけでなく手数料チェックも忘れないようにしましょう。
投信ビギナーの最初の1本目は手数料が安くて値動きの要因を理解しやすい日本株インデックス型がお勧めです。リスク、リターン、手数料の全てが高い新興国ファンドは投信に少し慣れてから2本目以降の選択肢として考えましょう。